クーポン・賞金クイズ・ドラマ・交流イベント…

スマートフォンで人気のニュースアプリが「次の一手」を模索している。ニュースだけでは差別化しづらい面があるためだ。アプリが乱立する中で、クーポンや賞金クイズ、ドラマ配信など、ニュースだけではない新たなサービスは利用者を引き付けられるのか。

「牛丼¥50引き」「ざるうどん半額」

スマートニュースは3月から、牛丼やハンバーガー、うどんやピザなどのチェーン飲食店約2万店で使える値引きクーポンの配信を始めた。店員にスマホ画面を見せるだけで安くなる。「クーポン」が掲載されているタブは、「トップ」のタブのすぐ隣。人気お笑いコンビ「千鳥」を起用したCMも6パターンつくる力の入れようだ。

若い世代狙う

西山一希・執行役員(マーケティング担当)によると、クーポンを配信して以降、女性のアプリ利用者が配信前より増えたり、クーポンの出稿元企業から高評価を得たりして、手応えを感じているという。ニュースよりクーポンを優先しているようにも見えるが、西山氏は「クーポン主体のアプリにするつもりは全くない。クーポンをきっかけに、若い世代が『ニュース』に興味を持つきっかけにして欲しい」と狙いを説明する。

グノシーは2月にライブ動画の配信を始め、10問3択クイズに全問正解した人で賞金10万円を山分けするクイズ大会を毎晩開くなど、ユーザー参加型のコンテンツを配信している。8月にはクーポンの配信を始め、今後は漫画の配信も検討している。

グノシーのダウンロード数は現在2400万を超えるが、月間利用者はここ2年で横ばい傾向だ。そこで矢継ぎ早に新たなコンテンツを投入し、新たな利用者を取り込もうとしている。運営会社Gunosyの竹谷祐哉・最高経営責任者(CEO)は「ニュースの定義を広く捉えることで、これまでなかった付加価値を足し、プロダクトを変えていく必要がある」と語る。

無料配信アプリのLINEは、月間利用者が6300万人を抱える「LINE NEWS」でニュース配信にも力を入れる。さらに8日からは、ニュースのタブからスマホ向けオリジナルドラマの配信を始めた。のんさんらが出演する連続ドラマ。スマホ上で見やすいよう、1階を10分強の長さにし、5週で5回配信する。

朝日新聞/2018/09/25/日付/経済面/より