信州や越後の雪深い山麓地域では、山肌に現れる「雪形」で農作業で種をまく時期を知るといった生活の知恵があります。春本番の4月を迎えると、北アルプスや妙高山(新潟県)などで現れ始めます。今回は雪形の実態や魅力などをお伝えします。

雪形は雪解けとともに岩と雪が織りなす文様です。かつては「雪絵」や「残雪絵」と呼ばれ、2種類あります。一つは、山肌の上に残雪の形で現れる「白い雪形」、もう一つは残雪の中に岩肌によって形作られる「黒い雪形」です。

長野には、北アルプスの名峰・白馬岳(2932㍍)の岩肌に出現する「代かき馬」をはじめ、古くから言い伝えられている約60の雪形が知られています。全国では、新潟、富山など約4000もの雪形が出現するといわれています。

朝日新聞/2020/04/04/日付より