食事を通じて地域の大人と子どもが交流する「子ども食堂」。担い手として期待されているのが、仕事や子育てを終えた世代だ。子どもは社会の宝。地域の子どもを育ててみよう。

「若さ保てる」

学童保育と一緒に運営している埼玉県越谷市の「越谷こども食堂」。夕方になると、ランドセルを背負った子どもたちが次々「ただいま」と飛び込んでくる。小学1年の女児は、ボランティアの本橋武久さん(74)に上達した剣玉の技を見せるのに一生懸命だ。もう一人のボランティア、五味田真紀子さん(57)は、ボードゲームで遊ぶ子どもたちを優しく見守る。

2人は同じ市民グループに所属。子どもの貧困について学んだことをきっかけに地元の子ども食堂に関わり始めた。週2回、午後3時半から3時間、宿題を見たり遊び相手になったりする。本橋さんの孫は高校生。「孫はもう一緒に遊んでくれない。ボランティアは自分のためでもあるね。若さを保てる」と笑う。

毎日新聞/2018/03/12/日付より