人口減少時代のものづくり

人と機械が現場で協調

働き方見直すきっかけに

ものづくりの現場での人手不足が深刻化している。生産年齢人口の減少に加え、多様化する消費者ニーズによって、従来の機械では生産性が難しく、人手がかかるケースが増えているのだ。あらゆるモノがネットでつながる「IoT」や人工知能(AI)の活用や人材の有効活用など、企業模索が続く。そんな中、働き方や社会制度の在り方自体を根本から問い直す動きも出ている。

35.7%がビジネスに影響

2060年の日本の生産年齢人口は、現在の約6割にまで減少すると見込まれる。その兆しは既に表れており、物流業界のドライバーや福祉の現場の介護士といった人材不足が深刻だ。また地方のスーパーマーケットや飲食店では、売り上げが好調にもかかわらず店員が足りずにやむなく店を閉じる「人手不足閉店」が問題となっている。

日本経済の屋台骨を支える製造業もこの例に漏れない。経済産業省の「ものづくり白書」によると、「人材確保が大きな課題となっており、ビジネスにも影響が出ている」と回答した国内製造業に属する企業は、16年が22.8%、17年が32.1%、18年が35.7%と、年々増加の一途をたどっている。

ただ製造業の中でも大企業は古くから産業用ロボットが導入され、無人化をほぼ達成している工場も多い。多くの人手は不要なのではないか——。そうしたイメージが強いが、近年様相が変わってきた。

日本経済新聞/2019/10/28/日付より

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