『B.LEAGUE 主役に迫る』

最終回

漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(52)とバスケット選手の対談企画の最終回は、第1回以来の登場となるリンク栃木ブレックスの田臥勇太選手(38)です。

日本のバスケ 考える機会に 文化として根付いてくれたら

井上 Bリーグの3シーズン目が終わりましたね。

田臥 個人的には腰をケガしてしまい、レギュラーシーズンの出場は15試合だけ。悔しさは残りましたが、いろいろ勉強できたなと思っています。

井上 試合に出られない状況で、何を得ましたか。

田臥 年齢を重ねるとはどういうことか、深く考えることができました。昔は意識しなくても、自然と治る感じがあった。いまは、意識を集中させてリハビリなどに取り組まないと復帰が遅れていく。この年齢だからこそ、よりチャレンジしなければダメだなと思いました。

井上 3シーズンを振り返っての印象は?

田臥 Bリーグの可能性をすごく感じた3シーズンでした。宇都宮にいると、外を歩いているだけで声をかけてもらえることが年々増えています。本拠での試合になると、ファンの方々のどっしり感がすごい。相手チームがリードしていても、全然慌てる雰囲気になりません。僕らを信頼してくれて、ともに戦っている感じがします。相手にかける「圧」みたいなものも、どんどん分厚くなっているような気がしています。琉球や秋田など、敵地にもそれぞれの色が出てきたな、と強く感じます。

井上 Bリーグが世界に向けて、ここはすごい、と言えるものを見つけていくことが成功へのカギになるのかなと考えています。売りになるかもしれないと思うのは、球際の激しさや展開の速さなどの強度が高いところ。日本には、ただビールを飲みながら試合を楽しむというよりは、選手たちを応援するという文化がある。そういう空気が背中を押し、よりひりひりした勝負になっていると思います。

田臥 Bリーグが生まれたことで、日本のバスケとは何か、みんなで考える機会になっていると感じます。男子のトップリーグが二つ併存したり、そのことで国際連盟から国際試合禁止の処分を受けたりしていたころには、思い描けなかった。

リンク栃木ブレックス 田臥勇太選手 × 漫画家 井上雄彦さん

朝日新聞/2019/05/29/日付より

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