100年の森 明治神宮物語 記憶④
明治神宮(東京・代々木)から約30㌔離れた、さいたま市大宮区の武蔵一宮氷川神社参道入り口に、朱色の大鳥居が建っている。
この鳥居は、元は明治神宮の大鳥居(第二鳥居)だった。大正9年の創建時に完成し、多くの参拝者を迎えてきたが、昭和41年に落雷により北側の柱が破損。新しい鳥居が奉納された翌年の51年、氷川神社に寄贈された。明治神宮では白木だったが、氷川神社では他の鳥居に合わせて朱色に塗られている。
この氷川神社は、明治天皇が東京に入って2週間後に行幸されるなど、皇室と縁が深いことで知られている。また、引っ越してきた鳥居とともに生まれた縁もある。「台湾の方が見えて、『これが台湾のヒノキでできた鳥居ですか』と喜んでいかれるんです。寄贈していただいてよかったと思っています」。そう話すのは権禰宜の遠藤胤也さん(59)だ。
産経新聞/2020/05/22/日付より