プロレスラー木村花さん=当時(22)=が5月に会員制交流サイト(SNS)で誹謗中傷された後に死去し、警視庁が今月、ツイッターに数回にわたり中傷内容を含む投稿をしたとして、侮辱容疑で、20代男性を書類送検しました。インターネット上での誹謗中傷は近年、ネット利用がより身近になるにつれて増えており、総務省も対応に動き出しています。同じ悲劇を起こさないために、どのような取り組みが必要でしょうか。一方、人々の生活を豊かにする上でネットの利便性は欠かせません。対策を進める上で、どのような配慮が求められるでしょうか。

悪質な書き込み 増えたのはなぜ?

いつでもどこでもオンライン空間につながるスマートフォンの普及に伴い、ネットでの誹謗や中傷は年々増えています。

法務省によると、2019年に全国の法務局などで新たに救済手続きを開始したネット上の人権侵犯事件数は1985件でした。これまでで最も多かった17年の2217件に次ぐ水準です。658件だった10年の3倍を超えており、近年に急増していることが分かります。

信濃毎日新聞/2020/12/21/日付より