少子化受け 学校の垣根超えて共同運営

近年の少子化の影響で、県内の特に中山間地の中学校などで運動部活動の維持が難しくなる中、生徒が好きな運動に親しめる環境をつくりたいと、教育現場で模索が続いている。これまでは大会に参加するために複数校で「合同チーム」をつくることで対応してきたが、一層の少子化の進展を受け、県教委は新たに学校の垣根を越えて部活動を共同運営する「合同部活動」を広げようと取り組み始めた。

今月初旬のある夕方、木曽郡木曽町の開田中学校(全校生徒29人)の体育館。広々としたバレーボールのコートで、男子生徒3人がレシーブの練習に汗を流していた。バレーボール部の部員たちだ。

生徒数が少ない同校では、バレー部が男女とも唯一の運動部。女子は人数が足りているが、男子は1、2年生の計4人しかおらず、チームが作れない。6月上旬の木曽郡大会では、同町の木曽町中から部員3人を借りて開田中・木曽町中の「合同チーム」として臨む予定だ。

新入部員で1年の上田創太さん(12)は、部活動にやりがいを感じている。ただ、中学校で本当にやってみたかったのは卓球だった。「もっと部活動の選択肢があればよかったけれど…」とこぼした。

木曽地方では他の中学でも運動部の選択肢は限られている。木曽教委によると、希望する部活動に入りたいと町外の中学校に進学する生徒もいるという。上松町出身で、相撲部がある旧福島中(現木曽町中)に進学した大相撲の御嶽海関もそうだった。

信濃毎日新聞/2018/05/23/日付より