県立高校で電子黒板やタブレット端末などの「情報通信技術(ICT)機器」の整備が本格的に進んでいる。初年度の2017年度に導入した高校では、生徒同士のグループワークの質が高まったり、より効果的な授業が実現したりする手応えを感じている。一方で、県内でICT機器を使いこなせる教員の数は全国平均より少ない状況が続いており、各校の成果や課題を共有して教員の習熟度を上げる仕組みも求められている。

20年度までに県立高全校で導入
効率的な授業実現 手応え

 慣れた手つきでタブレット端末や電子黒板を操作し、研究内容を説明する生徒。画面にはグラフや写真が映し出され、発表を聞く生徒は時折うなずきながら耳を傾ける。14日、松本県ケ丘高校(松本市)の1年生約320人が取り組んだ「信州学 クラス発表会」では、ICT機器を積極的に使う光景が見られた。
 信州学は、生徒自身が関心のある地域課題を見つけて解決策を探る「探究的な学び」の一つで、県立高校全校が取り組んでいる。この日は、1人から数人の班ごとに、音楽を通じた観光産業の活性化策や公共交通の在り方などを発表。「伝えたいことを図表で分かりやすく説明しているか」といった観点で互いに評価し、クラス代表を決めた。

信濃毎日新聞/2018/02/21/日付けより