手軽さや健康づくりに主眼を置く「ニュースポーツ」のとりこになるシニアが増えている。若者に負けないスマートな動きをする人から、身体と頭脳の健康増進にために取り組む人まで様々。シニアにニュースポーツを教えるシニアも増えつつある。体力作りだけでなく、愛好者同士のつながりもでき、生きがいを得る重要なツールになっているようだ。

身体と頭脳鍛え健康増進 つながりでき生きがいに

「こっちのコースの方が良いな」。8月中旬の昼すぎ、東京ドームシティ(東京・文京)の屋内型スポーツ施設「スポドリ!」にあるボルダリング場で、東京都渋谷区の新保司さん(67)はスポーツウエアを身にまとい、3時間ほど汗を流した。

ボルダリングはホールドと呼ばれるカラフルな突起物がついた壁を手足を乗せ、同色のホールドを使いながら4~5㍍上のゴールを目指す。2020年東京五輪の追加種目に決まった「スポーツクライミング」の一種目として、注目が高まっている。スポドリ!のボルタリング場では子供から高齢者まで多くの人が真剣なまなざしで頂を目指していた。

シニア層のボルダリング愛好者が増えていることから、日本フリークライミング協会は15年から全日本マスターズクライミング選手権大会を開催。新保さんは大会には出ていないというが、10年前から週3回、都内各所のボルタリングジムに通っている。「ゴールまでどういう道のりで行くか考え、達成した時は最高に気持ちが良い」。体感や柔軟性とともに、頭脳が鍛えられることもボルタリングの利点だと語る。

日本経済新聞/2018/08/23/日付より