漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(51)とバスケ選手の対談企画の新シリーズ第4回は、震災復興に奔走したB2熊本の小林慎太郎選手です。

故郷で震災 試合やめ支援へ 5カ月後 決意の開幕戦1本目

井上 お互い、熊本には縁がありますね。僕は大学時代に住んでいました。
小林 僕は熊本で生まれ、中学卒業まで育ちました。
井上 2016年4月14日の夜、熊本を地震が襲いました。
小林 チームは神奈川に遠征中でした。地震後、敵地で1試合を戦いました。スポーツの力って何なのか、自問自答を繰り返しました。自分たちの家族が命の危機にさらされている状況。プレーで見せるよりも、飲料水を持って帰って配るほうがいい、と思った。レギュラーシーズンが数試合残っていましたが、これ以上続けることはできないと思い、クラブの社長らに考えを伝えました。
井上 復興支援の陣頭指揮を執ったと聞いています。
小林 熊本に飛行機で戻る際、みんなで水を買いました。僕のスーツケースは重さ48㌔もありました。それだけの水も、あっという間に無くなった。個人の力は限られると思い、選手みんなに声をかけ、全国の知人から支援物資を送ってもらったのが始まりです。

熊本ヴォルターズ 小林慎太郎選手 × 漫画家 井上雄彦さん

朝日新聞/2018/01/12/日付より