教科書検定 身近なテーマ多く
先月27日に結果が公表された文部科学省の教科書検定。昨年の小学校に続き、初めての検定となった中学校道徳では、いじめの問題やSNSでのコミュニケーションなど、中学生の生活に身近な話題が多く取り上げられた。高校英語の検定では、「入試が勉強の目的ではない」といった意見が相次いだ。
選挙権や漫画の言葉も
中学の道徳では、いじめの問題を8社とも全学年で取り上げた。道徳の教科化が、2011年に起きた大津市のいじめ自殺がきっかけの一つになったという経緯もある。教科書には、読み物で被害者や加害者、傍観者の気持ちを考えさせ、授業の中で話し合いを促す狙いも込められている。
東京書籍の1年の教科書は、教室の様子を描いたイラストを2㌻で掲載。涙を流す子の姿もあり、「いじめに当たるのはどれだろう」と投げかけた。
学校図書は3年で、作家重松清さんがいじめを描いた作品を紹介。「コンビニ君」とあだ名をつけられた被害者が繰り返し様々な物を持って越させられた末、自殺をはかるという深刻な内容だ。教科書は「このようなことを起こさないために、あなたが考えなければいけないことは何か」と問いかける。
朝日新聞/2018/04/03/日付より