オンライン学習 どう進めれば

新型コロナウイルスの影響による休校で、様々な形で「オンライン学習」を模索する自治体が増えてきた。学校を再開した地域もあるが、第2波への対策も含め、今後、どういう形で進めるのが良いのか。教育の情報化に詳しい国際大グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平准教授(53)に聞いた。

―4月以前からオンライン学習をしている学校と、担任の顔さえ分からない学校。学校を再開した地域と、再開できない地域。格差が出ている。

学校が再開されれば、もうICT(情報通信技術)は不要と思われるかもしれないが、再開後はこれまで以上にICT活用が重要になる。例えば、学級の人数を半分にして授業を行う場合、教師は単純に2倍の授業をこなせるか。都市部では、感染を恐れて登校をしない「積極的な不登校」も増えるだろう。学習保障はどうするのか。

子どもも保護者も、学校とほとんどやり取りができていないことに、不安や不満を抱いている。一方、急きょの対応を迫られてきた教師側のストレスも相当のものだ。再開した途端、授業時数の確保のために詰め込みで土曜も夏休みも授業となれば、意欲は下がり、保護者の反発も強くなる。

限られた授業時数を前提に、効率的かつ魅力的な学習を構成する工夫が求められる。ICTはその貴重な手段になる。

朝日新聞/2020/05/25/日付より