きょうから読書週間

27日から読書週間が始まった。子どもたちに読書に習慣を身につけてもらおうと、家庭で家族と本を読む「家読(うちどく)」運動も各地に広がっている。その家読の普及に、学校・地域が一体となって取り組む福島県国見町立国見小学校(阿部雅好校長、児童数354人)の事例を紹介する。

テレビを消してリビングに家族が集まり、一冊の本を話題に同じ時間を分かち合う。国見小6年の鑓水裕人さんと4年の理菜さんの兄妹の家族スタイルだ。

絵本好きな母伸江さん(43)が用意したのは「ごめんねともだち」(内田麟太郎・作、降矢なな・絵)。父竜一さん(42)も一緒に読み終えると、4人が率直な感想を語り合い、学校お手製の家読カードに書き込む。竜一さんは「同じ本を一緒に読むことで、子どもがどういう視点で物事を見ているのか気づかされる。読んでいるときは距離が近くなり、家族の一つのコミュニケーション手段になっている」という。

あまり本を読まないという裕人さんだが、最近、伸江さんが読んでいた「キャプテンはつらいぜ」(後藤竜二・作、杉浦範茂・絵)にも興味を示した。「ソフトボール部でキャプテンをする自分に関係すると思ったから。親に『本を読みなさい』と言われるだけなら、嫌だな」と話す。

国見町は人口9000人あまり。保育所、幼稚園、小学校、中学校が各一つという特性を生かして一貫教育を進めるなか、「読書習慣化」を図る手立ての一つとして、2014年から家読を始めた。

毎月4(よ)~6(む)日、14~16日、24~26日の3回を「家読の日」とし、各3日間いずれかの1日を、テレビやゲームから離れて家族で本を読むことを推奨している。小学校では年4回、家読カードも提出する。

毎日新聞/2018/10/27/日付より