コンビニ「混乱生む」

来年10月の10%への消費増税で、飲食料品は軽減税率が適用され8%に据え置かれる。ただしコンビニなどのイートインコーナーでの飲食は「外食」だとして10%の税率が適用される。だが、商品を持ち帰る客とイートイン利用者を現実に切り分けられるのか。コンビニ店主たちが首をかしげている。

軽減税率 意思確認必要

小売店などで買う飲食料品(酒類を除く)は、生活必需品だとして低所得者への配慮などから軽減税率の対象となる。しかし、テーブルや椅子などを設けて飲食させるサービスは、財務省によると生活に必ずしも必要のない「外食」とされる。

同省は、テーブルや椅子を備えた場所に張り紙をして「飲食禁止」を明示し、実際に客が飲食しないとの条件で一律8%とすることを明確化した。イートインを続ける場合には、商品を持ち帰るか店内で食べるか客の意思を踏まえ、異なる税率を適用しなければならず「一物二価」を招くと批判の声もある。

兵庫県姫路市で酒井孝典さん(58)が営むファミリーマート姫路青山西五丁目店では混雑時を除き、店員1人が対応。多い時にレジ前に6~7人の列ができる。酒井さんは「店に4席分のイートインコーナーがある。飲食禁止にしても食べていないか確認する人手が足りず、客のモラルに任せるほかない」と懸念を口にする。

酒井さんはフランチャイズ契約のコンビニ店主で作る「コンビニ加盟店ユニオン」の執行委員長を務める。コンビニ業界は人手不足や経営難で過重労働が常態化しており、税率の切り分けが負担をさらに増やしかねない。

「イートインが埋まっていて店の駐車場に止めた車内で飲食する客は税率8%で、不公平が生じる。公平に扱うにはイートインの整理券を配らなければならない」と酒井さんは悩ましげに言う。

毎日新聞/2018/10/13/日付より