2020年度から始まる大学入学共通テストに向け昨秋に実施された2回目の試行調査では、英語の「リーディング」「リスニング」とも平均正答率は、大学入試センターが目標としていた5割を超えた。この結果を受けてセンターは4月、21年1月の「本番」のリスニングについて、2回読みと1回読みを混在させ、リーディングと同じ配点にする方針を示した。民間試験導入の陰に隠れがちだが、高校にはインパクトを与える変更だ。

「後半の2問は英検2級レベルでは対応できない。準1級を目指す必要がある」。4月下旬に東京都内であった代々木ゼミナールによる高校教員向け説明会。英語担当の谷川学講師は45分かけて、主に試行調査での英語のリスニング対策について説明した。「英単語、フレーズを視覚だけでなく音で覚える必要がある。リスニングの訓練を積むべきだ」

共通テストの英語をめぐっては、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るため、民間試験の成績が活用される。一方で、一気に民間試験だけになると対応が難しいとする大学や高校に配慮。「読む・聞く」の2技能を測る試験をセンターが作り、24年1月まで併用されることになっている。

その英語2技能試験については、2回目の試行調査での平均正答率が、リーディング(読む)が56.37%、リスニング(聞く)が59.09%と、いずれもセンターの目標だった5割を超えた。このためセンターは、試行委調査での問題作成の方針を本番でも踏襲することを決めた。

朝日新聞/2019/05/14/日付より