「女らしさ」「男らしさ」は社会が形作るのか、脳の特徴など生まれつきなのか-。最近の子供の行動を調べた心理学や、脳の研究から見えてくるのは、社会から受ける影響や、簡単には解き明かせないヒトの脳の複雑さだ。
社会の影響 幼少期に思い込み
理系に進んだり、政治や経済の要職についたりする女性が少ないことの背景には、「男性優位」の思い込みの影響があるのか-。米イリノイ大などの研究グループは昨年、こうした思い込みを持ち始める時期を調べる実験の結果を米科学誌サイエンスで発表した。
研究グループは、「優秀さ」を、子供に伝わりやすい言い方で、「本当に本当に賢い(smart)」と表現し、5~7歳の子ども96人を対象に、この表現が男女どちらを連想させるか調べた。
実験では、先生役が「本当に本当に賢い」人物についての短い物語を、子どもに1人ずつ聞かせた。その後、男女の写真を2人ずつ見せて、どれがその人物だと思うか尋ねた。その結果、5歳では、男女どちらも自分と同じ性別を選ぶ割合は同程度だったが、6歳と7歳の女児は動静を選ぶ割合が下がった。男児はほとんど変化がなかった。
朝日新聞/2018/03/08/日付より