信州大学工学部(長野市)の学生と大学院生でつくるグループ「Global Cafe(グローバルカフェ)」が、子どもたち、特に女子小中学生に科学への興味を持ってもらおうと動画作成に取り組んでいる。留学生も多く加わる同グループのメンバーを主人公として、生い立ちをたどりながら、科学の面白さを伝える内容。新型コロナウイルスの影響が広がる中でも希望を失わず学び続け、理工系に進む女子が増えるように応援するのが狙い。「Hero’s Journey(ヒーローの旅)プロジェクト」と名付けた取り組みとして進めている。メンバーで同学部物質化学科3年の山本雅隆さん(21)と、山本純子さん(20)に活動を伝えてもらう。

魅力伝える活動 自身に刺激

「発展途上国では、工業で利益が上がる分野に男女問わず優秀な人材が集まり、大学工学部の学生の男女比も半々ほどだ」。「グローバルカフェ」の会合でマレーシアの留学生の言葉を聞いた際、なぜ日本の大学では理工系の女子学生が少ないのだろうと思いました。この疑問が、「ヒーローの旅プロジェクト」につながる出発点になりました。

理工系の女子が少ない背景には、子どものころに科学にあまり関心を持てなかったからではないかと思っています。昨年9月、信大工学部の創立70周年記念式典のイベントが同学部でありました。その中で私は「グローバルカフェ」の代表として、工学部に女子学生らが県内の小中学校を訪れ、科学の魅力を伝える活動が出来ないかと提案しました。

信濃毎日新聞/2020/09/04/日付けより