本・新聞、規則正しい生活→好成績に

文部科学省が2017年春の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を分析したところ、日ごろから本や新聞に親しんだり、規則正しい生活を促したりしている家庭の子供は、親の収入や学歴が高くなくても好成績であることが分かった。家庭環境による子供の学力格差が指摘されるなか、取り組み次第では不利を克服できる可能性があるという。

家庭環境格差 克服も

小学6年と中学3年の国語、算数・数学の成績と、抽出校の保護者約14万人へのアンケートを分析。保護者の年収や学歴など家庭の社会・経済的背景を指標化して4階層に分け、テストの平均正答率と比較した。

前回の13年度の調査結果と同様に、いずれの教科でも階層が高くなるほど正答率も高かった。最も差が出たのは基礎知識を問う中3の数学A。最も高い階層の正答率は77.1%だったが、最も低い階層の正答率は52.8%だった。

一方で、最も低い階層でも学力が全体の上位25%に入った子供の家庭で、「小さいころ絵本の読み聞かせをした」「本や新聞を読むように勧めている」「毎日朝食を食べさせている」「計画的に勉強をするように促している」などの質問に「当てはまる」と回答した割合は、学力が上位でない家庭よりも5.8~12.0㌽高かった。親の収入や学歴に関係なく、生活の習慣や親の意識が子供の学力に影響を及ぼす可能性があることを示している。

日本経済新聞/2018/06/28/日付より