夏場だけ時間を早めるサマータイム(夏時間)。東京五輪が夏に開かれるので酷暑対策に導入すべきだという意見が出る一方で、むしろ問題が多すぎるという意見もあります。あなたはどう考えますか?

東京五輪に向け計画。残業が増えるなど反対意見もあります

この原稿はスペインで書いています。休みなら優雅なのですが、実際はテレビの取材です。夏のヨーロッパ取材は、夜遅くまでテレビのロケが可能です。夜の9時ごろになっても、外が明るく、「昼間のロケ」という感じの映像になるからです。このため夜遅くまで働くことになります。これは大変です。

その一方で、夕方でロケが終わって食事に行ける場合は、夜の9時ごろに店を出ても、まだ明るいので、ホテルに戻る気がしません。ウキウキして、もう1軒行こうとか、街歩きを楽しもうかとかいう気になります。

サマータイムを導入しているヨーロッパでは、こういう状態です。

そもそもサマータイム(夏時間)は、いつもより1時間、時計の針を進め、明るい時間を伸ばして有効に活用しようとして始まりました。同じくサマータイムを導入しているアメリカでは「デイライト・セービング・タイム」(日光節約時間)と呼びます。

夏は日の出が早くなるので、起床時間を早めれば、明るい時間い仕事を終えられるから、電気代が少なくて済む。仕事が終わっても外は明るいので、余暇を楽しむことができて、経済が活性化する。これがサマータイム導入の理由です。

毎日新聞/2018/09/06/日付/くらしナビ/おとなへステップ/教えて池上さん/より