日本代表は2日、ロストフナドヌーで開催された決勝トーナメント1回戦でベルギーに2-3で敗れた。2点を先制しながら、後半アディショナルタイム4分の失点で痛恨の逆転負け。史上初の8強進出に手が届かなかった。日本サッカー界は終了間際の失点で初のW杯出場を逃した93年の〝ドーハの悲劇〟を糧に成長を遂げた過去がある。目標に掲げる世界のトップ10入りへ〝ロストフナドヌーの悪夢〟を教訓にする。
未踏の領域
西野監督の目は真っ赤だった。試合後は現実がすんなりと受け入れられなかった。「結果については残念のひと言。追い詰めましたけど、やはり勝ちきれない。(差は)わずかであって、わずかでないのかもしれない」。頭の中でまだ戦い、自問自答していた。
赤い悪魔ベルギーに、ほぼラストプレーでねじ伏せられた。史上初のW杯8強ー。そんな希望のともしびは、後半49分、FIFAランキング3位の強豪の強烈な、西野監督いわく「スーパーカウンター」で消え、選手はピッチに崩れ落ちた。
原口と乾が決め、2点を先制した。行けるー。その裏で、ベルギーに火がついた。「そこでベルギーが本気になってしまった」と指揮官は言う。追い込まれてもなお、本気で勝ちにくるベルギーと、希望だけを頼りに未踏の領域、ベスト8に手をかけた日本。これほど有利な展開でも勝てないのか。手を掛けた16強の壁は、なおも高かった。
スポニチニッカンサンスポ/2018/07/04/日付より