筋肉や疲れやすさ 分析

体質合わせ効率よく練習

アスリートが生まれながらに持つ遺伝子情報を調べ、活用する動きがスポーツ界で広がっている。瞬発、持久力の筋肉のつきやすさや疲労の感じやすさなどの「体質」に応じた練習メニューを組み、効率的な能力強化につなげる狙いだ。成果の本格的な検証はこれからだが、パフォーマンス向上に生きたとみられるケースも出てきた。

2017年から先駆けて導入したのはJリーグ入りを目指す福島のいわきFC。瞬発・パワー系の筋肉特性を持つ選手をRR、持久系をXX、中間型をRXに班分け。例えばウエイトトレーニングでRR班は最大で上げられる重量に近い重りをつける。XX班は比較的軽くし、回数を多くするなど差をつける。

当初、全選手共通のトレーニングを行っていたが「骨格筋量の付き方などで個人差があった」と田村雄三監督。目指しているのは「止まらず、倒れない」サッカーで、その基となるフィジカルを構築するために着目したのが遺伝子の活用だった。

日本経済新聞/2020/03/05/日付より