VTuber リアルを超越

ネットへの動画投稿で収入を得る「YouTuber(ユーチューバー)」。次のブームが、人の動きをコンピューターグラフィックス(CG)に変換した「バーチャルユーチューバー(VTuber)」だ。配信者の細かな動きを投影させ、キャラクターに生命を吹き込む。グッズや写真集を発売するなど生身のユーチューバーをしのぐ人気者も登場。狭い画面を飛び出して現実世界にも進出している。

センサーで自分の動きをCGに

「ルナちゃんは天才ですから~、何でもちょちょいのちょいですよ~♪」。輝夜月(カグヤルナ)は独特の声質と小気味よい語り口が特徴の動画を配信する。新作を配信すれば、1日で数十万回の視聴を稼ぐ。VTuberのなかでもトップクラスの人気者だ。ゲームを遊んだり、視聴者の質問に答えたりとたわいもないが、肩ひじ張らず見られる心地よさがある。

「首を絞めたようなユニークな声が好き。言葉遣いやしぐさに配信者の〝素顔〟が見えるのも楽しい」。大学生の武藤貴将さん(23)は輝夜月のファンだ。愛用のスマートフォンには輝夜月モデルのカバーを装着。BGM代わりに流し続ける使い方はテレビに近い。「ついつい見てしまう強烈な中毒性がある」

ゲームをスポーツ感覚で楽しむeスポーツにもVTuberの波が押し寄せる。17日にはeスポーツ大会「RAGE」でVTuberがゲームの腕を競うイベントも開かれた。

立ち見客も出る盛況ぶりで、永沼慎也さん(22)は「見た目のかわいさと不規則発言のギャップが魅力」と目を輝かせる。生身の人間でなくても、興業の主役になれると証明した。

VTuberはCGで制作したアニメ調のキャラクターを生きているように動かす。配信者は「中の人」と呼ばれる。声優が多いが、最近ではVTuberのオーディションを開くと1千人超の応募者が集まることも。

動画の視聴時間は1本あたり4~5分で、中の人は1週間に2~3回のペースで配信できる。スマホでの動画視聴にぴったりだ。

日本経済新聞/2018/06/25/日付より

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