田臥以来 日本人2人目
◇27日(日本時間28日)◇米テネシー州メンフィス
日本人2人目のNBA選手が誕生した。グリズリーズと「ツーウェー契約」を結んでいる渡辺雄太(24)が、サンズ戦に途中出場した。04年にサンズでプレーした田臥勇太(38=栃木)以来、14季ぶりに日本人がコートに立った。渡辺は第4クオーター(Q)途中から4分31秒出場し、フリースロー2本を決め、2得点2リバウンドを記録。約5年前の渡米時からの夢を実現した。
出場4分31秒
日本バスケットボール界の歴史に残る4分31秒だった。第4Q途中からコートに立った206㌢の渡辺は、積極的にゴール下で体を張った。高さに競り負けずに短い時間で2本のリバウンドも取る。残り1分40秒、右サイドからゴール下に攻め込み、ターンからのジャンプシュート。持ち味の俊敏さを生かした攻めで相手のファールを誘い、2本のフリースローを獲得した。一呼吸置いて、しなやかなフォームで2本ともゴールを確実に決めた。NBA公式戦での初得点に「短い時間でも誰でもできる当たり前のことをやろうと思い、それはできた」と笑った。海外勢に劣らない高身長ながら、高いシュート力に屈強な守備を持ち合わせる自身の強みをNBAのコートでも体現した。
父携帯に電話
米国挑戦の背中を押したのは、日本人初のNBA選手田臥勇太だった。当時高校3年だった渡辺は海外留学するか悩んでいた。日本代表に引き上げたウィスマン監督(現横浜監督)が「田臥と話をした方が良い」と助言。父英幸さん(60)の携帯番号を田臥に教えた。ある日の午後9時過ぎに電話が鳴り、田臥から「絶対に雄太をアメリカに行かせてください」。日本人NBA選手の先輩からの金言を受け、渡辺は挑戦を決めた。田臥が所属したサンズとの試合でのデビューに「ゼロからNBAのコートに立った田臥さんがどれだけ努力されてきたかを改めて感じた尊敬がさらに増した」と感謝も口にした。
日刊スポーツ/2018/10/29/日付より