新型コロナウイルスの感染が拡大してから、よく耳にした言葉の一つが「不要不急」だろう。そこでふと疑問が浮かんだ。日本経済の中で不要不急とはどれぐらいの経済規模なのかと。

阪神タイガース優勝やオリンピックなどの経済効果を算出することで有名な関西大学の宮本勝浩名誉教授に聞いてみた。「実は過去に積算を試みたが、線引きが難しく、数値を出しづらかった。ただモノ・サービスの大半は不要不急で、逆に医療、交通、食品など必需品の方が限られてくる」。

政府が緊急事態宣言を出して以来、スーパーや商店街などの小売店以外、静まり返った東京。改めて日本経済が不要不急の世界で回っていたことを実感する。

分け方にもよるが、最大の産業が余暇だ。レジャー白書によると2018年で約72兆円に及ぶ。アウトドア・ランニング用品やフィットネスクラブ、ゲームセンター、カラオケ、観光、音楽・動画配信などで構成される。これだけでも約300兆円の個人消費の約4分の1を占める。

日本経済新聞/2020/04/18/日付より