総合カメラ誌「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)が6月発売号で休刊しました。同じ6月、老舗カメラメーカーのオリンパスがカメラ事業を売却すると発表しました。いずれもカメラ市場の縮小が背景にあります。撮影機能が急速に進化したスマートフォンに押されて、カメラはこのまま過去の遺物となってしまうのでしょうか。

「携帯電話」派が急追

「アサヒカメラ」は1926年創刊。プロ・アマの作品の紹介や撮影方法の解説、新機種の分析記事などが写真ファンに親しまれてきました。オリンパスのカメラ事業は36年にさかのぼる。ハーフサイズカメラ「オリンパスPEN」(59年)や、世界最小・最軽量をうたった本格一眼レフ「OM―1」(72年)などがファンの心をつかんできた。

平成に入ってカメラはフィルムからデジタルに移行。だが、デジカメの需要も一巡、二巡し、ミラーレスカメラのヒットはあったものの、カメラ映像機器工業会の統計によれば、出荷額はここ10年で3分の1ほどに減っている。

そこで、聞いてみました--一眼レフやコンパクトカメラなどのカメラをふだん使っていますか?結果は「はい」が「いいえ」を上回ったものの、スマホをはじめとする携帯電話の急追ぶりがみてとれる。「はい」と答えた人たちも、使う頻度はそれほど多いとはいえないようだ。

朝日新聞/2020/08/22/日付より